2011.10policy_sdp,tokyo



荒川区除き22区で空間線量を測定

保育園・学校給食食材検査は9区にとどまる

放射能画像①.bmp3.11福島第一原発事故のあと、東京都では新宿区のモニタリングポストでの放射線量の測定をして公表してきました。しかし、住民の皆さんからは自分たちが住む地域での放射線量がどの程度のものであるか、区市の自治体が測定し公表することを求める声が強くなり、自治体での放射線対策がはじまっています。空間放射線量の測定状況は別表のとおりです。荒川区のみが実施していません(右図は、文部科学省が公表している空間線量率=広域航空機測定)。
 練馬区を例にとると区内を12地域に区分し、毎月、区立施設で専門機関に委託(千葉県薬剤師会)して空間放射線量(大気中の放射線量)の測定をしています。また、保育園と幼稚園、区立小学校、区立公園、児童遊園などでは区職員が空間放射線量の簡易測定を実施し、結果を区のホームページで公表しています。空間放射線量を測定した結果、数値によっては除染などの対応が迫られますが、その基準を、0.24マイクロシーベルト/時としています。その算出方法は以下の通りです。
 個人が受ける年間線量限度を1ミリシーベルトとし毎時換算すると、0.19マイクロシーベルト/時、それに自然放射線量0.05マイクロシーベルトを加えると0.19+0.05=0.2  号外 2011年10月24日号   4マイクロシーベルトとなります。各区とも0.24もしくは0.25マイクロシーベルトとしています(1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルトですが、これは国際放射線防護委員会=ICRPの年間限度値です。シーベルト=人間が放射線を浴びた時の影響度を示す単位)。
 練馬区では、8月に実施した2保育園の砂場(地表から高さ5㎝)で対応基準値を超えたため、専門機関の測定を実施。その結果、1保育園の砂を入れ替えました。また、最近では、10月7日、大田区の中学校の雨どいの地上5㎝で1.01マイクロシーベルトを記録しました。23区内では、対応基準を超えるところは多くはありませんが、砂場、落ち葉の堆積しているところ、雨どいの下などで高い数値が出る、いわゆる「ホットスポット」があります。
 文科省は、空中から放射線量を調査しその結果をホームページで公表していますが、放射性セシウムの蓄積量は、薄まりつつも首都圏まで拡がっていることがはっきりしており、千葉県の県北部の自治体などで高い数値を記録しています。東京都も今後モニタリングポストを6か所ふやす予定になっています。今後、放射物質の動向を十分注視していく必要があります。

給食食材の検査も始まる

 今、各自治体で始まりつつあるのが、給食の食材検査です。基本的には、食品の検査は、東京都が行っています。多くの自治体は、こうした流通段83O838983t83B83b83N83X1.jpg◎注1・放射線量の対応基準値は各区とも概ね毎時0.25μSv/h ◎注2・食材検査は、保育園・小中学校の給食 ◎注3・集計は10月15日時点階における調査があること、センター方式ではなく自校調理方式の給食が増えていることから、検査の実施は困難との見解でした。しかし、全国各地で基準値を超える数値が検出されていること、子どもたちへの影響が大きいことから食材を通じた「内部被曝」の不安の声が拡がり給食の検査が始まりつつあります。
別表でも明らかなように、まだ数は多くはないものの、9月の各自治体の第3回議会などで請願、陳情が提出されるなど活発な論議がはじまり、検査に踏み切る自治体は増えています。

83O838983t83B83b83N83X2.jpg食品に含まれる放射線に関する暫定規制値 ※飲料水は1ℓあたり、その他の食品等については1㎏あたりです豊島区では、10~12月に全体の40%にあたる21か所の保育園や小中学校で、調理後の食材を混合したもの(2㎏以上)および牛乳について専門機関に委託して測定します。また杉並区では第3定例議会で約3000万円の検査機器を購入する補正予算を可決しています。しかし、それでも1日で3検体しか測定できず、どのように運用するかの論議が始まっています。また、東京都でも放射性セシウムを精密に測定できる機器を増加させています。1検体の検査を専門機関に委託すると2万円程度の費用がかかるなど自治体にとっての負担は少なくないことや品目・回数など検査については一定の限界がありますが、子どものいのちを守るために自治体が積極的な姿勢を示していくことはきわめて大事なことです。そして国や東京都と相互的の連携のもとで食の安全を図らなければなりません。
 3月17日、厚労省は食品に含まれる放射性物質の量について暫定的基準を設けています。基準値は上の表の通りです。しかし、これでは基準が甘すぎるとの批判があります(Bq:ベクレル=放射能の強さを図る単位)。