2011.11policy_sdp,tokyo



東京の生活保護の実情を調べました

seiho1.jpgseiho2.jpg2011年7月の生活保護受給者は205万495人で、過去最多の1951年の204万6646人を上回った。世帯類型別では高齢者が最も多く42%、また働ける人を含む「その他世帯」の増加が著しく、失業をしても新たな仕事を見つけられないケースが増えたといえる。生活保護費の支給総額は2010年度で3兆2289億円にのぼっている。
 これは今日の社会・経済状況の反映であり、特に格差・貧困といった社会の構造に根差している。高齢者の受給者が増大しているのは、明らかに年金などの所得保障が不十分であることであり、国民年金では、生活保護の基準生計費にも足らず、いきおい生活保護にならざるをえない。またリストラ、失業などの増大により雇用の厳しさ、雇用保険など労働環境が不十分で同じようなことになる。このように社会保障の不十分さが、生活保護受給者を増大させている。
表1、2は、23区および多摩地域市町村の2010年度の保護率(‰)である。表3は、練馬区の世帯類型別構成の推移である。高齢者世帯はほぼ40%であり、「その他世帯」の増も大きい。

自治体財政を圧迫

seiho3.jpg各自治体における生活保護費の急速な増大は、議会でも大きな問題になると同時に、自治体財政への圧迫にもなっている。例えば、東京の周辺区である練馬区では、2011年度の当初予算の一般会計規模は2324億円だが、「生活保護法にもとづく保護費」は311億円(13.3%)であり、前年度と比較すると約50億円、19%の増にもなっている。また、足立区は483億円に上っている。この財源は、4分の3が国費であり、4分の1が自治体の負担である(23区は都区財政調整で補填されている)。しかし、多摩地域の市町村では国の対応が不十分のため、さらに負担感は強い。そこでもともと生活保護は法定受託事務であるのだから、全額を国の財源で充てるべきとの意見もうまれている。

生活保護は最後の安全網

seiho4.jpg豊島区では、10~12月に全体の40%にあたる21か所の保育園や小中学校で、調理後の食材を混合したもの(2㎏以上)および牛乳について専門機関に委託して測定します。また杉並区では第3定例議会で約3000万円の検査機器を購入する補正予算を可決しています。しかし、それでも1日で3検体しか測定できず、どのように運用するかの論議が始まっています。また、東京都でも放射性セシウムを精密に測定できる機器を増加させています。1検体の検査を専門機関に委託すると2万円程度の費用がかかるなど自治体にとっての負担は少なくないことや品目・回数など検査については一定の限界がありますが、子どものいのちを守るために自治体が積極的な姿勢を示していくことはきわめて大事なことです。そして国や東京都と相互的の連携のもとで食の安全を図らなければなりません。
 3月17日、厚労省は食品に含まれる放射性物質の量について暫定的基準を設けています。基準値は上の表の通りです。しかし、これでは基準が甘すぎるとの批判があります(Bq:ベクレル=放射能の強さを図る単位)。

丁寧な自立支援事業を

今、生活保護基準以下の生活実態にある人の補捉率(実際に生活保護を受給している人の割合)は、研究者によれば20%程度とも言われている。つま (23区 2010年度 単位:百万円) り、多くの人が生活保護基準額以下の収入で必死に生活しており、したがって生活保護受給者は優遇されているというわけである。
 しかし、生活保護は「最後のセイフティーネット」といわれるように、国家が国民の生活を保障する砦である。単なる抑制策で済むわけがない。問題点は改善すべきであっても、法の精神はしっかりと守るべきである。
 そこで生活保護法でいう自立の考えをもっと柔軟に捉えて、例えば就労支援・社会活動支援・地域生活移行支援などの自立促進を促す事業(都事業)なども取り組まれている。これらの事業をていねいに行い、個々の受給者にしっかり寄り添っていく仕組みや体制をつくることが重要になっている。

日弁連は権利性明確な法改正提案

生活保護は、今日の格差・貧困などの実態の中で生まれざるをえないものだから「権利性が明確な生活保障法に改正すべき」との意見も生まれている(日弁連・生活保護法改正要綱案)。また国・自治体での「生活保護見直し」に当たっては、受給している当事者の声をしっかり受け止めてほしいとの意見も当然のことと言えるだろう(月刊『社会民主』10月号の記事も参照のこと)。

(上表の資料の典拠は「特別区の統計」。総務省基準の普通会計歳出総額で算出。 一般会計とは異なります)